執筆・講演

東京都市管理指導室課長会研修会
2008年11月11日

「組織力を生かした企業経営」

― 全員参加型経営
 どのように私がリーダシップをもって、アフラックの企業文化を築いてきたかと申しますと、全員参加型経営を目指しました。

 リーダーが将来のビジョンを構築し経営理念を明確化する。そして戦略の意思決定することで、社員は企業のミッション、明確な自分のミッションを持った社員が集まると強い組織になる。
 こうした組織を創るためには、あれこれ細かく指示しない。しかし、社員にビジョン、目標をはっきり示す。ビジョン、目標が明確なら、1割の指示で9割は自分で考えて行動できるはずです。指示待ち人間の増加は組織の硬直化につながります。
 そこで、経営者・リーダーとして、企業のビジョン、目標を明確に、社員にはそれぞれのビジョン、目標を持つように奨励してきたつもりです。

 リーダーがビジョンを示すということは、自分の思いを的確に伝えることに他なりません。このように私の経営哲学と指導原理が組織構成員の深層にある無自覚の宗教心を引き出し、独得の企業理念と風土を形成してきました。

 この全員参加型経営を私が実践したのがPIAS SHOCです。これは創業25周年を記念して、PIAS SHOCというプロジェクトを実施しました。なぜ、このようなことを全社員を巻き込んで行ったかと申しますと、アフラックを創業した時、まだ生まれていなかった人が、新入社員として入ってくる。すると会社の理念を理解してもらうことは、だんだんむずかしくなります。また、会社の成功に不可欠な全社員の一体感も、維持することが困難になります。

 そこで、企業の理念と社員の“自分たちの大切にしたい価値”をうまくミックスして、全社員で約束し会おうということになりました。それが、PIAS SHOCというプロジェクトです。全員にアンケートをとり、一人一人が大切にしてもらう価値基準を書いてもらいました。これを、アフラックの企業理念と組み合わせて、社員の日常の基本行動のレベルで理解してもらおうというねらいです。このおかげで、社員は、会社のビジョン・目標をよく理解することができました。

 一方で、会社側も社員が何を考えているかを知り、創造力をひきだす方向に進むことができました。 現在は、すでにこのプロジェクトは終了しましたが、1999年におこなったこのプロジェクは、1年をかけて社内でのコミュニケーションの重要性を意識して、実施されたものです。

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