「組織力を生かした企業経営」
経営には哲学が必要であることがお分かりいただけるではないでしょうか。これは皆様が携わるっておられる学校経営においても同様です。経営の神様と言われる松下幸之助氏は、「経営者は経営哲学を持たなければならない。また宗教心を持たないと本当の経営はできない」といっておられました。
私もまったく同感です。このことはアシックスの鬼塚氏、土光光雄氏、花王の丸田芳郎氏、京セラの稲盛和夫氏等々、日本を代表する名だたる経営者は皆さん宗教心をお持ちでした。そして宗教心を広く、企業経営に発揮され実現された経営者は決して少なくありません。
私も例外でなく、キリスト教の精神が行動の原動力となっています。そのためアソシエイツの皆さんを「愛の伝道師」として位置付けました。
・企業文化の形成
― The Aflac Way
アフラックには、「人々を大切にすれば、ビジネスは後からついてくる」という言葉があります。この言葉は米国本社の経営トップが50年間代々、大切にしている創業時の志です。この「人々を大切にする」という精神は日本社でも受け継がれ底流に流れているのです。
信実の追求、真理の探求をすることで、流行に惑わされず、主義、主張を貫くことができるのです。どんな時代となってもぶれてはならないものが、企業文化なのです。なぜ、このように文化が大切かと申しますと簡単にコピー、真似ができないからです。だからこそ企業文化が重んじられ、それがオリジナリティ、ブランドとなって、お客様から愛され、信頼されます。
これは学校における文化もまったく同じであり、校風であり伝統として受け継がれ、さらに磨かれていくのです。ですから画一的な文化を創る必要はありません。個性あふれるその学校独自の文化を創ることも大きな強みとなるのです。
経営では、日産をV字型回復させた、カルロス・コーンさんが「コミットメント」として公約をいたしました。学校にも自分の進退を掛けた「公約」をすることも必要なのではないでしょうか。「公約」をすることつまり、責任を果たすという「リスク」を負い、その覚悟ができるのではないでしょうか。
― リーダーシップ ― 明確なビジョンを示す
企業はこうした独自の文化を形成することが大切です。何故なら「文化」はその企業独自のものであるので、コピーしたり真似することができないのです。それぞれの「文化」を創るためには経営者のリーダーシップは欠かせません。
組織とは何か。組織とは人間の集合体です。同僚の成功をねたみ、憎悪する空気が蔓延すると組織崩壊につながります。チームワークを重視し、競争と強調をどうバランスさせるか。
社員が同僚の潜在能力(ポテンシャル)をどう引き出すか。そこに力を注ぎ、同僚の成功を本当に喜べるようになることが大切です。
リーダーがビジョンを示すということは、自分の思いを的確に伝えることに他なりません。このように私の経営哲学と指導原理が組織構成員の深層にある無自覚の宗教心を引き出し、独得の企業理念と風土を形成してきました。